法人設立時に印鑑は何本必要なのか?

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コラム

法人設立時に印鑑は何本必要なのか?

法人を設立するときには、必ず登録する印鑑が必要となります。

これは法務局に登録するもので、一般的には実印、代表印と呼ばれるものです。
設立時には登記申請書に押印し、印鑑届を提出し登録します。
そのため、会社を設立する前に用意をしなければなりません。
どのような印鑑を準備すればよいのでしょうか??

1.登録する印鑑はなんでもいい?

印鑑の登録については商業登記規則第9条により定められています。
この条文によると、印鑑は大きさの制限はあるものの文字に関する制限はありません。
従って、大きささえあえば、どんな文字が刻まれていてもいいことになります。
通常は「○○株式会社代表取締役の印」と刻まれていますが、個人名の「秋本」という認印を登録することも可能ということになります。
よく見るのが、商号変更をしたのに、前の商号の印鑑をそのまま使うというケースです。
しかし、実印は契約書や重要な書類に押印をするものですので、信用度という観点から、一般的な実印をおすすめいたします。
また、万が一印鑑が破損した場合は、法務局で印鑑の変更手続きが必要となり、手間を要しますので、長く使えるものを購入するのをおすすめいたします。

2.印鑑は3本も必要か?

印鑑を販売しているサイトをみると、3本セットで売っていることをよく見ます。
果たして印鑑は実印以外に、もう2本も必要なのでしょうか?
3本セットの内訳は①実印、②銀行印、③角印であるのが一般的です。
それぞれの用途について見ていきましょう。

①実印

契約書など会社を代表して対外的な契約を締結するときに使用されます。

②銀行印

その名の通り銀行への届出印となります。出金するときや届出内容の変更をするときには必ず必要となります。

③角印

角印は社印とも呼ばれ、一般的には請求書、注文書など実印の不要な対外的な書類に押印されるものです。

一般的には上記のように用途が分かれていますが、どれだけこれらを実際使い分けているでしょうか?
契約書に押印する印鑑は実印であることが要求されます。これは本当に会社を代表するものが押印したかを確認するために調印時に印鑑証明書を要求されることがあります。そのため実印は必ず必要となります。
これに対して銀行印、角印については、必ずしも必要とは限りません。なぜなら実印で代用することが可能だからです。
実際に実印1本のみで設立している会社は多数あります。

3.ではどのような場合に銀行印・角印が必要なのか?

それは、ずばり印鑑の管理者・押印権限者が異なるケースです。
会社のすべての書類を社長が目を通し、印鑑を押印するケースにおいては、印鑑を使い分けるメリットはありません。銀行の届出印を押印するところに実印を押印してしまい、銀行の窓口で届出印が違いますと言われることが良くあります。

これに対して印鑑の管理者・押印権限者がことなるケースはどうでしょうか?
銀行印は管理部長、角印は事業部長、実印は代表取締役と印鑑の管理者と押印権限者を分ける場合などには、必ずその数だけの印鑑は必要になりますし、分けることで権限の集中を回避し、お互いに牽制が効くことや業務の効率化の観点からも適していることが多いです。
しかし、この場合はある程度大きい組織という前提となってしまいます。
組織が小さく社長に権限が集中している間は、印鑑は実印1本というもの賢い選択肢だと思います。