事業継承時の負担が軽くなる事業継承税制とは

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コラム

事業継承時の負担が軽くなる事業継承税制とは

スムーズな経営者交代の進まない中小企業

日本の企業を見てみると、その大半は中小企業に該当します。日本社会全体の抱えている問題でもあり、中小企業業界としても悩ましいのが経営者の高齢化です。特に資本金1億円未満の企業ではその傾向が強くなっているといいます。

経営者の高齢化が進んでいる背景には、うまく経営者の交代が行われていないことが関係しています。経営者の中には年齢が年齢なので引退したいと思っている人は多いです。しかし自分の代で廃業するのではなく、何らかの形で引き継いでいってほしいと望んでいる人は95%を超えるというデータも出ています。

経営者の交代できない理由は?

中小企業の経営者がスムーズにバトンタッチできない背景にはいろいろとあります。まずは後継者がなかなか育たないという点があります。

子供に代を継がせようと思っても、子供がその気ではないというケースも少なくありません。

中小企業の経営はリスクが高いので、例えば比較的大きな企業で現在勤めていると「そこを辞めてまで…」と思う人もいるようです。またそのほかには事業承継する際の税負担が重くのしかかってしまうこともあります。後者の問題に関しては、事業継承税制というルールを新たに設けることで対応しています。

私どものクライアントでも、後継者がおらず廃業に陥ってしまっている方がいらっしゃいます。なんとか事業を承継しようと、いろいろと対策を講ずるのですが、やはり事業承継は簡単な問題ではありません。

多数の会社が廃業になってしまった経験を活かして、少しでも多くの企業の事業承継が成功するようにお手伝いをしています。

事業継承税制とは何か?

事業継承税制とは平成21年4月施行の制度のことで、「相続税の納税猶予制度」と「贈与税の納税猶予制度」の2本柱によって構成されています。

対象になる財産は、被相続人が所有している自社株です。この株式は非上場株式でないといけません。非上場会社の場合、事業承継をする際自社株の評価があまりに高くなってしまうと、相続税・贈与税の額も大きくなりそれがネックになっていました。そこで納税の機嫌を免除する、もしくは免除の特例を新たに用意したわけです。

この制度ができたことで、今まで以上に株式の承継はスムーズにいくようになりました。しかもそれまで「5年間毎年雇用の8割を維持する」のが事業継続要件だったのですが、平成27年から「5年間平均で雇用の8割を維持する」ことが条件となったのでさらに利用しやすくなりました。

今後も要件の緩和や新しい施策が出てくるとは思いますが、事業承継は税制だけの問題ではありませんので、経験豊富な専門家にご相談するのが一番です。

相続にも絡みますし、早い段階で専門家に相談し、事業承継、さらには日本経済の活性化に貢献していくことが重要だと思っています。