確定申告をして寄付金の控除を受けよう

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確定申告をして寄付金の控除を受けよう

みなさんは寄付をしたことがありますか?

一番身近な寄付は赤い羽根の共同募金かもしれません。私も小学生のときに寄付をして赤い羽根をもらった覚えがあります。しかし、大人になってから寄付というものをした記憶がありません。そのような方は多いのではないでしょうか。

一方でアメリカではIT長者が財産の大部分を寄付すると発表するなど、日本では考えられないようなニュースが流れたりします。
なぜ日本でアメリカのように寄付が浸透しないのかは、文化の違いによるもののほかに、税制による影響が大きいと考えられます。

アメリカでは幅広い団体への寄付をすることができ、その分支払う税金が安くなります。当然日本でも寄付をすることで税金が減額はされるのですが、支払う団体に厳しい制限があり、誰に寄付してもいいという状態ではありません。

では寄付金で税金を安くするためにはどのような団体に寄付をすればいいのでしょうか。

認定NPOなどへ寄付を行うと税金の控除が受けられる

所得税法では寄付金控除の対象となる団体を細かく制限しています。一言で言うと公共性が強いものに限定をされています。
国、地方公共団体は基本的にすべて寄付として認められます。ふるさと納税と言えばピンと来るかも多いのではないでしょうか。

一方で公益社団法人、社会福祉法人、学校法人などに対する寄付金は、その集金目的が限定されています。
また、個人または法人の寄付を受けることで運営を行っている認定NPOについては、比較的寄付の範囲が広くなっており、寄付を行いやすい環境になってきています。

とはいっても寄付金控除の対象については限定をされていますので、寄付を検討している団体に確認をしてから寄付を行いましょう。

税制においては従来、所得に基づいて受けられる所得控除のみでしたが、2011年から、税額控除も選択できるようになりました。これらは所得額と寄付金の額によってどちらが得になるかが変わってくる場合があるため、いずれか有利な方法を選べるようになっています。
なお、ふるさと納税については所得控除しか適用できませんが、所得税で控除しきれない部分については、住民税から控除されますので、一般的な寄付金とは取り扱いが異なります。

所得控除と税額控除の違いとは

では、所得控除と税額控除それぞれについて見ていきます。

所得控除

こちらは、その年の収入から各種控除額を引いて算出された所得から、寄付金控除額(寄付金の総額-2,000円)を差し引き、そこで残った金額に所得税率をかけて所得税を算出します。つまり、所得額そのものから寄付金控除額を差し引き、課税対象額を減らす方法です。

事例:年収500万円、寄付金10万円
給与収入   500万円
給与所得控除 154万円
基礎控除    38万円
寄付金控除   9.8万円(10万円-2,000円)
課税所得   298.2万円
所得税   20万700円

税額控除

こちらでは、その年の収入から各種控除額を差し引いた金額に先に所得税率をかけて所得税を算出し、その金額から寄付金控除額(寄付金の総額-2,000円の40%)を差し引く方法を採ります。つまり、税額控除では寄付金控除はそのまま税額から控除され、控除額がまるまる戻ってくるのです。

事例:年収500万円、寄付金10万円
給与収入   500万円
給与所得控除 154万円
基礎控除    38万円
課税所得   308万円
寄付金税額控除 39,200円(10万円‐2,000円)×40%
所得税   17万1300円

所得控除と税額控除どっちが有利?

上記のとおり一般的には税額控除が有利となります。

ただし、高所得者が相当額の寄付をしたときには、所得控除を選んだほうが有利となるケースがあります。

寄付金控除を受けるための方法

これらの寄付金控除を受けるには、寄付を行った年の所得と合わせて確定申告を行う必要があります。給与所得者は勤務先の会社で年末調整を行い、税金の調整をしているため、確定申告はなじみがないものでしょう。

しかし、給与所得者でも確定申告を行う機会が全くないわけではありません。今回紹介した寄付金控除をはじめ、住宅ローン控除や高額な医療費が発生した場合の医療費控除など、確定申告をすることで税金を安く抑えられる制度があります。こうした事例に当たる人の割合は、社会全体の人数に比べて少ないため、税額の計算を個別で行うのが一般的となっているのです。

寄付金控除など確定申告が必要な控除については、今一度確認しておくことをおすすめします。今まで確定申告を行っていなかったために、税金を多く払いすぎていたということもあるかもしれません。

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