同族会社は税金が高いって本当?

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コラム

同族会社は税金が高いって本当?

同族会社とは何か

株式会社の株主の性質から、同族会社と呼ばれるものがあります。同族会社とは、その会社の3人以下の株主(自己株は除く)が、その株主と規定で定められた特殊な関係にある個人または法人が、会社の議決権の50%超を所有している会社を指します。

簡単に言い換えると、会社の上位3人の株式の合計が50%超となるかということです。さらに単純に3人というわけでなく、特殊な関係がある個人、法人は、まとめて1人(グループ)として判断されます。つまり、会社の上位3グループの株式の合計が50%超となる会社を同族会社と言います

 

規定で定められた特殊な関係とは、以下のようなものです。

特殊な関係 株主の配偶者、六親等までの親族もしくは三親等までの姻族
株主と事実婚の関係にある人
株主の使用人
株主から金銭や資産を受け取り、それで生計を立てている人
株主とその同族関係にある人が発行済株式を50%と以上持っている他の会社

 

たとえば、社長が30%、その配偶者が10%、子供が10%だとすると、社長個人では30%ですが、社長グループと1人とみますので、50%持っていることになります。
そのため、第2位、第3位グループの株主と社長グループの合計(上位3人)が50%超となれば、同族会社として判定されます。

同族会社には税制上の厳しい規定がある

同族会社は経営方針をほぼ身内の独断で決定することとなり、それが法人税の徴収時に弊害となる可能性が考えられます。
つまり、株主総会を支配し、会社の経営に大きな影響を与えることから、経済的合理性のない租税回避をおこない、自分たちに有利になるような行為を行う恐れがあります。
そのため、同族会社には税制上で規制が設けられています。その規制にかかわるのは以下の3つです。

みなし役員と使用人兼務役員

取締役などの役員に対する報酬は、損金算入に対してさまざまな制約があります。これに対して従業員の立場だと、給与の改定やボーナスの支給など自由に給料のコントロールをすることができます。

これを悪用されることを規制するために同族会社では、一定の要件を満たした従業員を役員とみなして、通常の役員と同じ取り扱いにしなければなりません。
みなし役員とは、同族会社の従業員のなかで以下の条件を満たした人を指します。
●同族会社の従業員のなかでその会社の上位3位までの株主グループの一員である
●その株主グループが所有する持株割合が10%以上である
●その人および配偶者もしくはその人たちが株式の50%を持つほかの会社の持株割合が5%以上である。

また、使用人と役員のポジションを兼務する使用人兼務役員についても制限がされています。一定の株式を所有する者が、下記の条件を満たしている場合には、使用人兼務役員になることができません。これも使用人分給与を悪用されることを防止する目的であると考えられます。
●50%超の株主グループに属しているか。
●属する株主グループの持分が10%を超えているか。
●所有割合が5%を超えているか。

法人税の計算が認められないことがある

同族会社で行われた法人税の行為や計算について、法人税の負担を不当に減少されると認められるときは、税務署長の権限で法人税額の計算をすることができます。
法律で税務署長に権限が与えられていますので、十分理解した上経営をする必要があります。

留保金への課税

同族会社では、利益を出したとしてもそこで株主に配当を行うと個人の課税所得となってしまうため、配当をせずに会社に留保金としてストックする場合があります。
個人で税金を払うなら、会社に留保しておこうという判断を同族会社では行うことができます。それを規制するために留保金に課税を行います。

ただし、留保金課税が行われるのは、同族会社のうち特定同族会社とされるものだけです。特定同族会社とは、株主の1グループで50%超を保有している会社です。なお、資本金が1億円以下の法人も留保金課税の対象外とされています

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規定によって税の公平性が保たれる

上記3つの規定を見ていくと、一般の会社では経済的公理性のない不合理と思われることでも、株主として会社を支配していることで、法人税を回避する目的のみの行動も社内では批判されずにできてしまうのが、同族会社です。
非同族会社と同族会社はどちらも同じ会社であり、税の負担も公平でなくてはなりません。