法人事業税が外形標準課税化された理由とは

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コラム

法人事業税が外形標準課税化された理由とは

外形標準課税とは?

法人事業税の計算においては、外形標準課税と呼ばれる制度が課せられています。

外形標準課税とは、地方自治体の行政サービスを受けるに当たり、それにかかる費用を事業者に公平に分担してもらうように定められたものです。

事業の規模は事業者によって異なるため、所得を基準とした法人事業税の徴収のみでは公平性に欠けることになります。

そのため、事業所の資本金や付加価値といった外形の数値を基準として計算される方法が採用されているのです。

そのため、黒字企業だけでなく、赤字企業に対しても負担が求められています。

ただし、外形標準課税は事業年度の最終日における資本金が1億円超の法人が対象となります。

あくまでも資本金の額で判断するため資本準備金は算定の基準に含まれません。

増資により資本金が1億円に近付いている場合には、大きく税金額が変わってくるので、発行価額の2分の1を資本準備金に組み入れるなど、資本金が1億円を超えないように注意が必要です。

外形標準課税の目的

外形標準課税の目的には、以下のようなものがあります。

・地方自治体の財源確保
地方自治体は事業を行う企業に対してさまざまな行政サービスを行っています。企業は警察や防災、福祉、産業や都市基盤整備、福祉などのサービスを地方自治体から受けているのです。この財源を公平に確保するために取り入れられています。

・事業の規模に応じた税額負担
地方自治体の行政サービスの恩恵は、事業所の外形の規模によって大小が変わってきます。そのため、事業所の所得金額にかかわらず、事業規模に着目して税額を計算する制度が必要なのです。

外形標準課税の計算方法

外形標準課税は、所得割、付加価値割、資本割から構成されます。

所得割

所得割は各事業年度の所得に税率を乗じて算定します。

税率は都道府県ごとに若干異なります。以下は東京都の税率となります。

所得区分 税率(超過税率)
年400万円以下の所得 0.395%
年400万円超800万円以下の所得 0.635%
年800万円超の所得 0.88%

 

付加価値割

付加価値割は収益分配額に単年度損益を加えたものに税率1.26%を乗じて算定します。

収益分配額 報酬給与額 報酬・給与等(派遣料の75%)+企業年金等の掛金
純支払利子 支払利子‐受取利子
純支払賃料 支払賃借料‐受取賃借料
単年度損益 繰越欠損金控除前の所得金額

付加価値割の計算では、報酬給与額+純支払利子+純支払賃借料の合計(収益配分額)の中で報酬給与額が7割超になる場合、超えた金額分を収益配分額から差し引くことが可能です(雇用安定控除の特例)。

資本割

原則として資本金と資本準備金の合算額に対して0.525%の税率を乗じて算定します。

資本積立金(資本金等)が1,000億円を超える場合、その金額に合わせて資本金等を何割かに圧縮することができます。